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このページでは、「逮捕の基礎知識。逮捕前から逮捕以降の流れ」「逮捕後勾留されるまでの流れ」「逮捕から釈放までの流れ」など、逮捕のよくある相談を読むことができます。
逮捕の基礎知識。逮捕前から逮捕以降の流れ
逮捕ってどういうことですか?どういう時に逮捕されるのでしょうか?
逮捕というのは、警察などが犯罪の容疑のかかっている人に対して、その人が逃亡したり、証拠を隠したりすることを防止する目的で捕まえることを言います。
逮捕されるのは、現に罪を行っているような場合にされる現行犯逮捕と、裁判官が令状を出したうえで行われる通常逮捕があります。
逮捕権があるのは誰?
逮捕権がある者で真っ先に思い浮かぶのは、逮捕状を持っている警察官ですね。それ以外にも、裁判官の発付した逮捕状(逮捕令状)を持つ検察官や検察事務官も逮捕権があります。
ただし、現行犯逮捕に限っては、一般市民であっても逮捕は可能です。
逮捕歴の位置づけは?
逮捕歴は、いわゆる「前歴」と言われるものです。逮捕されたことと有罪になったことは違います。
もっとも、「逮捕=有罪」という発想を持つ人は多く、事実上悪い印象を持たれてしまうのは現実的に避けがたいでしょう。
逮捕と令状の関係は?
裁判官が逮捕することを許可した場合、逮捕状(令状)を発付します。その逮捕状をもって警察官が逮捕する場合を通常逮捕といいます。
例外的に、現行犯の場合は、逮捕状がなくても逮捕することができます。
逮捕中に面会はできるの?
逮捕されたあと数日は弁護士のみ面会できます。
ご家族が面会できるのは、逮捕の後にされる勾留という段階からになります。ご家族が面会するときは、警察官が立ち会います。警察署によって異なりますが、1日1組3人まで、1回15分程度という制限があることが一般的です。
逮捕から起訴までの大まかな流れは?
逮捕されると、まず最大3日間は拘束され警察で取り調べを受けます。その後、さらに身体拘束が必要と判断されると10日間の拘束(勾留)を受け、さらにもう10日間の勾留延長を受けることもあります。その間、警察署の留置場や拘置所で生活しながら、警察や検察官の取調べを受けることになります。
最終的に、検察官が起訴・不起訴を決定します。不起訴となれば、そこで釈放され前科もつきません。
逮捕の請求・発付 | 請求者 | 発付者 |
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検察官・警部 | 裁判官 | |
逮捕から起訴まで | 逮捕(3日間)→勾留(10日間)→勾留延長(10日間)→起訴・不起訴 *逮捕から起訴・不起訴まで最長23日間 |
|
逮捕中の面会 | 弁護士のみ可 |
逮捕後に勾留されるまでの流れは?
逮捕された後は、どうなるんですか?
逮捕された後は、検察官が取調べをします。検察官が身体拘束が必要だと判断すれば、10日間の拘束(勾留)を請求し裁判官が可否を判断します。事件によっては、もう10日間の勾留延長されることがあります。最終的に、検察官が起訴・不起訴を判断することになります。
拘留と勾留の違いは?
拘留とは、刑の一種であり、受刑者を刑事施設に収容する刑のことです。
一方、勾留とは、捜査段階で被疑者の身体を拘束することをいいます。勾留は、刑が言い渡されるはるか前の段階での手続きです。
拘留と勾留は、読みは同じ「こうりゅう」でも意味はまったく違いますね。
逮捕と勾留はどう違う?
逮捕と勾留は、身体が拘束されるという点では共通しています。拘束される期間が異なり、逮捕は短期間、勾留は比較的長期間になっています。
また、逮捕の期間中は、弁護士のみ面会や差入れができるのに対し、勾留の期間中は弁護士以外の人も面会や差入れができるという違いもあります。
逮捕・勾留の期間は?
逮捕は、逮捕されてから最大72時間(3日間)しかありません。
勾留は、勾留請求した日から10日間が原則で、必要があればもう10日間の延長ができ、最大20日間です。なお、一部の犯罪のみ例外的に5日間延長できるとされています。
逮捕後から勾留されるまでの流れは?
逮捕されると、捕まってから48時間以内に検察官に証拠が引き継がれます(検察官送致)。送致を受けた検察官は、24時間以内に勾留が必要かどうか判断をし、必要であれば勾留するよう裁判官に請求します。この間は捕まってから72時間以内に行わなければなりません。
そして、勾留請求された場合は、裁判所で裁判官から質問を受けることになります(勾留質問)。この勾留質問は、勾留請求と同じ日や翌日に行われます。兵庫県では、勾留請求と同じ日に勾留質問も行われます。裁判官は、勾留質問の結果を踏まえて、勾留するかどうかを判断します。このときに弁護士から勾留が必要ない旨の意見書を提出し裁判官を説得することで、勾留されずに釈放されるときもあります。
逮捕中 | 弁護士のみ面会・差し入れは可能 |
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勾留中 | 誰でも面会・差し入れが可能 (接見禁止命令が出ている場合を除く) |
逮捕から釈放までの流れは?
逮捕された場合、いつ外に出られるのですか?ずっと捕まったままですか?
釈放されるタイミングは複数あります。
逮捕後すぐの警察段階での釈放や、検察官が、勾留請求をしなかった場合、不起訴となった場合などです。
逮捕から釈放までの流れは?
逮捕されて以降、釈放される可能性のあるタイミングはいくつかあります。
まずは、逮捕された後、検察官に送致される前です。警察官の判断で、逮捕したものの検察官に送致する前に釈放するときがあります。そうすると、1日~2日の拘束で終わります。
次に、検察官が勾留請求しないと判断したときです。検察官が10日間の身体拘束は必要でないと判断して勾留請求をしないときは、その日で釈放されます。この場合、逮捕されてからだいたい2~3日の拘束で済みます。
また、検察官が勾留請求しても裁判官が勾留請求を却下したときも釈放されます。裁判官が10日間の勾留が必要でないと判断すれば、その日に釈放されます。この場合も逮捕されてからだいたい2~3日の拘束で済みます。
そして、勾留された後でも検察官が不起訴の判断をすれば、釈放されることになります。この場合は逮捕されてからだいたい10日~23日間拘束されることになります。
逮捕後にすぐに釈放される場合は?
逮捕されてもすぐに釈放される場合はあります。軽微な事案であったり、身元のしっかり人であったりする場合には、警察判断で釈放されることがあります。
逮捕後に否認をしていても釈放されるの?
否認している場合には、捜査機関としては証拠が集めにくい状況にあるといえます。この場合、証拠隠滅や逃亡のおそれが高いとして釈放されない可能性が高くなります。
しかし、犯罪をしていないことの証拠が見つかったり、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張したりすることで、釈放されることもあります。
逮捕後に罰金になれば釈放してもらえる?
罰金刑になれば、釈放はされます。しかし、罰金刑も有罪の一種ですので前科はついてしまいます。
逮捕後に不起訴になれば釈放してもらえる?
検察官が不起訴の判断をすれば、釈放されます。不起訴になれば前科はつきません。
逮捕後に解雇を避けるには?
就業規則に、逮捕されたことが解雇事由として挙げられていれば、解雇されてしまう可能性はあります。
ただ、多くの企業では、一定の罪以上の有罪判決の確定をもって解雇事由としているところが多いので、うまく交渉することで解雇の回避はあり得ます。
すぐに釈放されるためには | 証拠隠滅しない・逃亡しないことを説得 | |
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すぐに釈放されるメリット | ・会社にバレない ・解雇されない ・家族のもとに帰れる ・今までの生活を取り戻せる |
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不起訴・罰金と釈放 | 不起訴 | 罰金 |
釈放される前科なし | 釈放される前科あり | |
否認する場合 | 釈放の可能性が低くなる |